奥武山世持神社の桜 与儀公園の桜 名護市伊豆味のタンカン畑 スーパーでのタンカン 山積みのタンカン 名護の友人から贈られてきたタンカン | プロローグ: 今年の沖縄は、まだコロナ禍の真っ只中に置かれていて、なかなか心の安まる日はないのですが、何故か沖縄本島のいたるところに咲き誇る“寒緋桜”の美しさと、沖縄の北部一帯の山地に、たわわに果実を実らせてくれている“タンカン”の美味しさには、何かしらコロナ禍の不安を、一心に取り除かせようとしている“心意気”の様なものが感じられて、私は思わず、この両者に両の手を合わさないではいられないのです。 手を合わせているうちに、ふと、何人かの友人・知人の顔が、目の前に浮かんできましたので、その人達にちょっと手紙を添えて、タンカンを送らせていただきました。今日のコラムには、その時の手紙文を書かせていただこうと思います。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 手紙(その1) : Y・K様
ご無沙汰を深く、深くお詫びいたします。 今年の沖縄は、全国でもトップクラスのコロナ禍の中に置かれておりますが、何故か、沖縄に咲く「寒緋桜」だけは、コロナ禍に一人で立ち向かってくれているかのように、町並みのいたる処で堂々と咲き誇ってくれております。私の沖縄人生50年の中でも、今年の寒緋桜には何かしら強い意志と魂がこもっているように思えてなりません。
それに、今年は沖縄のミカン「タンカン」も、10年に一度位の大豊作との事で、いたる所のスーパーにも山積みされております。山積みされた「タンカン」を眺めているうちに、確か、タンカン大好きであられたK さんの事が強く思い出されましたので、とりあえず送らせていただこうと思った次第です。 私は今年85歳になりますが、75歳の時、マラソン総走距離5万キロを走破したのを機に、マラソン人生には一応の終止符を打ち、以来、今は気功・太極拳の世界に没入の日々を送っております。残された人生の最終目標は、“元気な100歳人生”と心得、頑張っております。
私のマラソン人生は、あなたの励ましに後押しをして頂き、一応の目標を達成させて頂いたと思っております。これからはあなたの“落語集”を聞かせていただきながら、楽しく100歳の大往生>を達成してみたいと心に誓っております。 突然のお手紙で申し訳ありません。遠く沖縄からKさんのご健康を念じながら、またいつの日か、お目にかかれる日を楽しみにさせて頂きます。
2021年2月12日(沖縄旧正月の日に) 沖縄より 奥田 清志 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 手紙(その2) : S・J様 ご無沙汰をいたしておりますが、お変わりありませんでしょうか。奥様の肩の怪我はもう元通りに回復されておられるでしょうか。お二人の事が、少し気になっているのです。 私の足の痛みは、かなり回復しているのですが、腰の痛みがまだ取れなくて、苦戦をしております。2月の寒さが終わってくれば、きっと腰の方も回復に向かってくれるものと期待して、日々のリハビリだけは続けております。
私が沖縄にご縁を頂いて、やがて半世紀が過ぎようとしているのですが、今年の沖縄には、これまでに感じたことのない異変のようなものを感じているのです。 その一つは、沖縄に咲く今年の寒緋桜に、私は特別な美しさと、特別な激しさを感じ、心を奪われているのです。どうしてこんなに激しい咲き方をしているのだろうかと考えてみるのですが、もしかして全国の中でもトップ10に入る程のコロナ禍にあって、沖縄の桜達は、一斉にそのコロナに立ち向かってくれているのではないか・・・という気がして私は沖縄の桜に“ありがとう”の言葉を言い続けているのです。
次の嬉しい異変は、沖縄名産のみかん(タンカン)が、今年は10数年振りの大豊作なのだそうです。“タンカン”は沖縄のマンゴーと肩を並べる人気者で、なかなか私達の食卓に届かないのですが、何故か今年はどこのスーパーにも山積みされているのです。しかも価格も例年より割安で、私達もまさかのびっくり仰天です。 今年こそは親しい人達に、タンカンを送る絶好のチャンスと思い、親しい人の名前を思い浮かべるのですが、私の親しい第1番の人はS・Jさんで、もう一人は、昔からタンカン大好き人間で、私のマラソン人生を応援し続けてくれていた落語家のY・Kさん、そしてもう一人は日本を代表する書家のI・Hさんですので、本日、このお三人にタンカンを発送させて頂いた次第です。 冬が過ぎ暖かくなってお互いに元気が回復したら、是非とも今度はゴルフで再会いたしましょう!!! 2021年2月12日 奥田清志・泰子
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ 〜・〜・〜・〜・〜 手紙(その3) I・H様
今日の沖縄は、今年一番の寒さ(日中でも12℃〜13℃)で、私達は震え上がっているのですが、東京以北の事を考えると、あまり大きな声を上げてわめくのも申し訳ない気がして我慢をしております。今日外出から家に帰ってみたら、あなたからの“近作展のパンフレット”がポストの中に入っていて、大喜びをしているところです。
私は20年程前から、気功と太極拳に没入しておりますが、2〜3年程前に新しくオープンした教室の生徒さんの中に、Iさん大好き人間(この人の妹が書道の教室をやっているのです)がいる事が判り、以前あなたから頂いた何冊かの書の本を差し上げたら、飛び上がる程の喜びを示してくれました。今日送っていただいたパンフレットも、彼女に一冊差し上げようと思っております。
上記の様な事もあって、あなたの「沖縄楽書会」が再開出来ないであろうか・・・と思うようになっております。あなたのお身体の具合と、スケジュールの都合がつくようでしたら、これ以上の喜びはありません。
沖縄はまだ、コロナ禍の真っ只中のような気がいたしますが、今年は何故か、沖縄に咲く寒緋桜が満開に咲き誇っているのと、タンカンが十数年にぶりの豊作との事で、少しですが送らせていただきます。お会い出来る日を楽しみに、楽しみにしております。 2021年2月18日 沖縄より 奥田 清志・泰子
エピローグ: 『良き事を心掛けていると、良き事が返ってくる』という言葉を目にした事がありますが、実はまさしく今日、「タンカンの里」と言われる沖縄県名護市に住む太極拳仲間のHさんご夫婦から、これまでに見たこともない様な見事なタンカンと、たわわに実ったタンカンの写真が送られてきて、私は、今,夢の中を彷徨っているような幸せな気分の中に居るのです。私の思いつきの“タンカン送り”は、もしかして、ちょっとした良き事だったのかも知れません。
2021年2月20日の記
|