 | 奥田のコラム(NO189) 東北楽天イーグルス、日本一の快挙!! | ( 2013/11/10 ) |         |  10月は相次ぐ台風の襲来で、日本中に暗雲が立ち込めていた感がありましたが、11月に入った直後(11月3日)に、あの東北楽天イーグルスが巨像、読売ジャイアンツを接戦の末に破り(4勝3敗)、遂に日本一に登りつめた瞬間は、楽天ファンならずとも日本中の野球ファンが、まさかの感動と歓喜に身を震わせたのではないでしょうか。 巨人ファンには申し訳ないのですが、もしかして今年に限っては、日本中の大多数の野球ファンは、東北楽天イーグルスの日本一を応援していたに違いありません。
私はプロ野球に関しては、イチロー選手以外の事は、何が起きてもほとんど気にならない人間でしたが、いつの間にか東北楽天イーグルスがリーグ優勝し、クライマックスシリーズにも勝ち残り、対巨人戦との日本シリーズ戦に突入した頃には、すっかり東北楽天イーグルスのファンになりきって、一戦一戦の試合に夢中になって応援の叫び声をあげておりました。
東北楽天イーグルスの日本一を応援し続けた人達の心中には、等しく一戦一戦に東日本大震災からの復興と言う願いが秘められていたに違いありません。私もその一人でした。 私はずっと昔から、何故か東北の民謡が大好きで、東北民謡を通して、東北の中に素朴にして美しい日本の故郷の様なものを感じ続けておりました。 東北楽天イーグルスの本拠地でもある仙台には、数々の想い出もあり、今でもまだ素晴らしい友人、知人との交流もあるのです。そんな事もあって、私はこの度の楽天イーグルスの奇跡とも思える日本一を心から喜ぶ者であります。
さて、東北楽天イーグルスが日本一になる経過の中で、特に私の印象に残っている点を挙げて、永く記憶に留めておきたいと思います。
(1) 日本一となった東北楽天イーグルスの監督には、私は余り好感を持ってはおりませんでした。理由はベンチの采配振りが、選手の失策にバカヤローの罵声を飛ばすばかりが目に止まっていたからです。 監督が日本シリーズ中で発した言葉は、『永遠の宿敵を倒して、俺は宙に舞いたい』でありました。弱者応援主義者の私としては、この前半の言葉は胸に響くものがありましたが、後半の所は『選手全員を宙に舞わせてやりたい』と言ってもらえたら、どんなにか監督株が上がっていたのに・・・といささか残念でした。 それでも最後のお立ち台では『子供たちや東北の人達に希望と勇気を与えた選手達を褒めてやってくださーい』と叫んでくれたのにはホットするものがありました。
(2) 何といっても東北楽天イーグルスを日本一に導いた最大の貢献者は、田中将大投手(25歳)ではないでしょうか。かつてリーグ20連勝の記録を成し遂げ¨神様、仏様、稲尾様¨とまで言われたその伝説の記録をはるかに超える、リーグ24連勝と併せて30連勝を成し遂げた田中マー君こそは、すでに日本プロ野球の宝とも言える存在なのかも知れません。 田中投手の魅力は、どんな場合でも、おごらず、いばらず、ひたむきで謙虚な人柄にあると私は思います。彼は必ずや日本を越えて世界に大きく羽ばたく大投手になるに違いありません。
(3) 東北楽天イーグルスの捕手兼キャプテンである嶋選手にも日に日に魅力が湧いてきました。いつも冷静で、落ち着いていて、チーム全体に気配りの出来る名キャプテンです。彼の心の中には¨東日本復興¨の一念が刻まれているに違いありません。彼が若くして今年の侍ジャパンの主将に選ばれた理由も良く理解できるというものです。
(4) ピッチャーでいえば、若干20歳のルーキー則本投手にも私は尽きせぬ魅力を感じます。日本シリーズでMVP(最優秀選手)に輝いた美馬投手には、東北楽天イーグルスの底力を感じます。
(5) 野手兼バッターで印象深いのは小柄ながら3番打者の銀次選手(25歳)です。私は彼には親戚の息子のような親近感を覚えてしまいます。野球音痴の私の家内でさえもが、銀次選手がバッターボックスに入ると黄色い声を発するのですから、楽天チームは他球団にない全員野球の魅力が溢れているのです。
(6)東北楽天イーグルスの最大の財産は、何といっても楽天を日本一に導いた楽天ファンであると思います。これからも選手と楽天ファンが心を一つにして、一戦一戦の勝利を東日本の復興に結び付けてくれる事を願わずにはいられません。 最後に、楽天チームを誕生させて下さったオーナーとその関係者の方々にも感謝いたします。
*日本シリーズの最終日に、元巨人軍V9監督であった川上哲治さんの訃報が伝えられました(94歳)。私達が子供の頃は、野球と川上は同義語でありました。心よりご冥福をお祈りいたします。 (2013・11・9日の記) 写真上:東北楽天イーグルス日本一の瞬間 写真中:日本一を勝ち取った田中投手の雄姿 写真下:MVPを獲得した美馬投手 (琉球新報社より) | |  |